ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:釘丸和也)とNTTクラルティ株式会社(本社:東京都武蔵野市、代表取締役社長:浅野彰)は、共同で視覚障がいを問わず評価可能な化粧品の官能評価試験を確立しました。これを足がかりに、視覚障がい者が化粧品の感触づくりに携わることができる場を生み出すことで、視覚障がい者自らの持つ力を活かして活躍する機会の拡大につなげたいと考えています。
化粧品の感触づくりを通して、視覚障がい者の活躍機会を拡大
ポーラ化成工業では、誰もが活躍できる社会を目指し議論を進めています。その中で、日常生活にて「触る」ことからさまざまな情報を得ている視覚障がい者の特性に着目すると、化粧品開発に欠かせない「感触づくり」は視覚障がいを問わず活躍できる場になるのではないかと考えました。
一方、NTTクラルティでは、共生社会の実現に向けて、障がい特性を強みとして活かすことができる事業を展開するとともに、障がい者の視点から情報を社会に発信しています。今回、NTTクラルティがポーラ化成工業の取り組みに賛同し、視覚障がい者を含めた連携が始まりました。
視覚障がい者との連携により、
障がいを問わず評価できる化粧品の官能評価試験を確立
ポーラ化成工業では、化粧品開発に役立てるため、化粧品の感触データベース※1を独自に構築しています。このデータを取得するために実施する官能評価試験は、これまで晴眼者が参加してきました。そこで本取り組みでは、視覚障がい者も試験に参加できるようにするため、適した試験方法について検討しました。
本検討では、視覚障がい者が試験方法を検証し、その意見をもとに試験における障壁を精査することで、評価の手法や必要なサポートを整備しました(図1)。そして、視覚障がい者の女性36名が参加した実際の官能評価試験にて、化粧品ごとの感触の差を評価できる手法となっていること、提供したサポートにより試験をスムーズに実施できることを確認しました(図2)。
さらに取得したデータからは、視覚障がい者が晴眼者とは異なる評価傾向を有することが示唆されました。これには、視覚に影響されずに評価できる点や、感触に対する注意の払い方の違いが影響している可能性が考えられます。データの分析を深めることで、これまでにない切り口による有用な発見や研究の糸口、視覚障がい者の活躍の新しいヒントが得られるかもしれません。
今後も多くの意見を取り入れながら本取り組みを進め、視覚障がいを問わず活躍できる場を広げることでWell-beingの実現につなげていきます。
※1 数百種の化粧品を対象に、「しっとり」「なめらか」など18項目の感触を数値化したデータを取得して、
これらのデータを集めた。
視覚障がい者に適した化粧品の官能評価試験を確立
図1.視覚障がい者による官能評価試験の検証
視覚障がい者が官能評価試験を試行して、評価しやすい手法や必要なサポートを一緒に考案した。
視覚障がい者が官能評価試験を実施できていることを確認
図2.視覚障がい者による官能評価試験の様子
視覚障がい者36名が参加した官能評価試験にて、さまざまな化粧品の感触を評価できることを確認した。
ポーラ化成工業株式会社・NTTクラルティ株式会社に関する補足資料
【本件に関する報道機関からのお問い合わせ先】
(株)ポーラ・オルビスホールディングス コーポレートコミュニケーション室 広報担当
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NTTクラルティ(株) 総務人事部 サステナビリティ推進室
Tel 0422-60-2183/Mail sustainable-koho@ntt-claruty.co.jp
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